ニッケイ新聞 2008年5月13日付け
ルーラ大統領は八日、五年間も懐で温めた持続可能なアマゾン再生計画(PAS)を発表した。森林伐採を食い止め、環境保護に協力を促進する法令である。政府は二十四ページからなる同法に関する小冊子を配布した。そのうち十九ページは、PAC(経済活性化計画)関係だ。
PACとPASは二〇〇七年、官房長官と環境相が見解を異にし論争となったもの。PACは港湾や河川、鉄道、国道、火力発電所、上下水道、住宅に関するもの。PASは「緑の虹」計画と命名し、法令アマゾンの環境保護である。
環境保護のため、政府は違法的に伐採した森林再生と植林向けに、年利四%、十二年据え置きで二十年満期の低利融資を用意している。植林をする造成林を融資銀行へ担保として提供する。
農業生産者が、作付けする作物を担保として銀行へ差し出し、融資を受ける方式と同じである。それを植林に適用した造成林担保は、森林再生の新味として注目された。
森林伐採を阻止したことで、伐採を生業としていた労働者が失職し、生活に窮しているため、再生と植林は急務であると大統領がいう。環境相は、森林再生が失業対策ではなく政府と国民が一丸となって取り組むべき国家戦略だと訴えた。これまで環境相は「なまず大臣」と陰口をたたかれ、一人戦ってきたという。