ニッケイ新聞 2008年5月13日付け
ルーラ大統領は七日、財務相や中銀総裁、産業開発銀総裁、その他経済専門家を交えて、経常収支とインフレについて懇談した。会議は終始、財務相の一人舞台となった。ブラジルが投資有望国に指定されたことで、全ての問題は解決するというのだ。
経済政策には、二つの選択肢がある。一つは、輸出企業に億単位の特典を与える。二つは、市場にだぶつくドル通貨を国税庁が二百億ドル回収するため、国家基金(フンド・ソベラノ)を創設する。
少し時間はかかるが、ドルは確実に上がる。これまでの基本金利引上げによるドルの下落と経常収支の悪化に歯止めをかける。インフレ抑制に為替政策を使わない。ドル下落で輸入品が割安になるメカの逆操作を国家基金で行うらしい。