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小麦関連で免税処置=品不足とインフレ抑制へ=短期に2度目の税金操作

ニッケイ新聞 2008年5月16日付け

 昨日の本紙でインフレ高進の主因は食糧と書いた途端、政府が小麦や小麦粉、パンなどに免税処置をとると発表した。
 年末来、小麦粉は一二〇~一四〇%、パンも四カ月で一四・二%高騰という状況下、製粉・製パン業界からの要請に応えた形の処置は、アルゼンチンからの輸入小麦の不足や国際的な食糧価格高騰による、小麦や小麦製品不足への懸念とインフレ圧力の高まりに対する緊急対策といえる。
 十五日付け伯字紙によれば、十四日発表の免税処置は、(一)年内の社会統合基金(PIS)と社会保険融資納付金(Cofins)徴収免除、(二)商船隊更新のための輸送料金付加課税分(料金の25%)の年内徴収免除、(三)輸入小麦への免税期間を八月末まで延長の三点。
 政府は、今回の免税で小麦関連製品価格が一〇%前後下がると期待しているが、政府公式のインフレ指数(拡大消費者物価指数、以下IPCA)によると、一二カ月間のインフレは、食糧価格高騰などで、政府目標の四・五%を上回る五%にまで達している。
 四月だけで見れば、パン七・三三%、小麦粉六・八%、スパゲティやマカロニも二・三四%の値上がりに対し、IPCAは〇・五五%の上昇に止まっているが、政府はインフレ抑制のために迅速な対応を迫られていた。業界内では、ス―パーなどでは一〇%程度値下がりしても、競合が激しく、低価格に抑えているパン屋での値下がり幅は小さくなると見る向きもある。
 また、価格調整のための備蓄米放出と競売も行った政府は、米の放出量を一〇万トンまで引き上げる。また、家畜飼料として供給するためのとうもろこし三〇万トンの購入も、小麦関連の免税処置とともに発表された。
 今回の免税は燃料価格調整時の減税に続く2度目の税金操作で、小麦関連のPISとCofinsでは五億レアル減収という。