ニッケイ新聞 2008年5月16日付け
日本公園(Parque Centenario)の工事着々と――。モジ・ダス・クルーゼス市役所が中心になって建設が進められている同公園。今年の二月末に安部順二市長が、同公園予定地を視察した、と同市ホームページが伝えている。市長は、ニッケイ新聞の取材に対して、「日本公園は順調に工事が進んでいる。文協を通じて、皇太子さまのご来訪を要請している。開所式には是非訪れてもらいたい」と声を弾ませた。
同公園は、市内を流れるチエテ川に沿った、四つに仕切られた池を中心とした約二十五万五千平米に造成されている。予算は約百五十万レアル。五十万レはインフラ整備に使用され、観光局から七十八万レが解除される予定。
公園内には、正門に鳥居(高さ十メートル、長さ二十メートル、赤色)を建立し、二千八百メートルの遊歩道を整備。四カ所の湖の周囲には様々な樹木を植樹する。日本庭園を造り、池には噴水、広場に展望台などを設置、富士山の壁画を飾ったり、日本移民を表すミニチュアを置いたりする予定だ。
三百台収容可能の駐車場、千五百平米のメイン広場、軽食堂、運動場など、さらに中央には盆踊り公園も造成される。
また笠戸丸のレプリカを飾る予定。同レプリカは長さ三十メートル、幅八メートル、高さ四・六メートル。船倉内には日本移民に関する写真や物品が展示される。
この他、安部市長は、静岡県浜松市と姉妹提携を結ぶ考えを明らかにした。六月中旬に浜松市長の鈴木康友氏を招き、姉妹提携協定に署名することを検討している。さらに、公園の開所式には、浜松市長とともに姉妹都市の岐阜県関市の市長も招きたい意向だ。
安部市長は「六月二十日に開所式を行う予定。日本の各都道府県、ブラジルの各州の旗などを掲揚する計画で、各地の出身者たちに掲揚してもらいたい」と希望を述べた。
今回の公園建設は、市長によれば「移民を代表してブラジル人への感謝の気持ち」「ブラジル人として、移民の苦労した人々に敬意を表する」「これからさらに日伯交流活性化するように」などの意味が込められている。
モジ・ダス・クルーゼス市=4車線に跨る鳥居誕生
モジ市に入るドゥトラ街道1641地点に、幅二十二メートル(四車線分)、高さ八・四〇メートルの赤い鳥居が建設された。
四月二十五日午前、同地で落成式が行われ、市役所や地元日系団体の関係者が多数出席した。
式で安部市長は「今回建てられた鳥居は、日伯両国民の友好の証になる」と力強く話した。来賓一同で、鳥居の支柱に取り付けられているプラッカの序幕が行われた。
最初に両方の支柱が設けられ、別の場所で製作されていた鳥居の上部の部分をクレーンで吊り上げて設置した。柱はコンクリート製で、重さは約二トン。