ニッケイ新聞 2008年5月17日付け
サンパウロ州、サンパウロ市、サンパウロ州工業連盟(FIESP)で構成する日伯ビジネス使節団とともに、先月十七日から訪日した飯星ワルテル連邦下議が八日午後、サンパウロ市内の事務所で、帰国報告した。そのなかで、在日ブラジル人子弟の教育のため、日本政府からブラジル人教師の派遣を求められたことが明らかにされた。日本側がこの問題を重要視している現れとして注目される
訪日中、同下議は日本貿易振興機構(JETRO)で開かれた経済セミナーなどに出席したほか、東京都の副知事と会談、「サンパウロと同規模の大都市である東京の交通システムを学ぶことができた」という。
サンパウロ市と姉妹都市提携を結んでいる大阪市を訪れ、サンパウロ市リベルダーデ地区にある大阪橋の修復費用の援助を打診したほか、新幹線を管理するセンターを訪問。また外務省関係者の間で、在日デカセギ子弟の教育問題について検討し、「日本政府はブラジル人教師の派遣を求めている。我々も実現にむけて努力したい」と述べた。
このほか、同下議は現在サンパウロ市が出資して再整備が進められているボンレチーロのスポーツ施設に隣接して、アニメやマンガ、ファッションやメディアなど、現代の日本文化を紹介する文化センターを建設する計画を紹介。
第一期計画として今年中に、ゲートボール場や野球場などを整備したうえで、来年一杯をめどに、センターの建設をはじめたいという。市のスポーツ局の主導で、建設費は市と民間企業と折半する計画。同下議は「日本とブラジルの大手企業から資金援助をお願いする役目を頂きました」。
さきごろ訪日したサンパウロ市役所国際部のアレフレッド・コタイト氏が同計画を経団連関係者に紹介し、協力を求めたという。ただ、プロジェクトの詳細は決まっておらず、センターの設計図の製作などもこれからになるという。