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「世界のエネルギー事情変える」=6月に日伯農業シンポ=日本移民の農業貢献を評価=力行会からデカセギまで

ニッケイ新聞 2008年5月17日付け

 「日伯で世界のエネルギー事情を変える」との新しい考え方をロベルト・ロドリゲス元農務大臣は提案する。百周年を記念してサンパウロ州立三大学(UNESP、USP、UNICAMP)が主催する日伯シンポ「農業への貢献」が六月九~十日に開催されるにあたり、七日に記者会見がサンパウロ市のメモリアル・ダ・アメリカ・ラチーナで行われ、シンポの理念提唱者であるロドリゲス氏は、一時間ちかく熱心に構想を説明した。シンポの中では「南米農業への日本移民の貢献」「力行会の果たした役割」なども議論される予定。
 自分でもサトウキビ農場を経営するロドリゲス元農務大臣は、バイオエタノールで世界を変えるアイデアを温めている。現在、日本政府などがサトウキビによるバイオエタノールに二の足を踏んでいるのは、世界で供給国になっているのはブラジルしかないという事情があるからだ。世界最大のエタノール生産国は米国だが、トウモロコシを原料とし輸出する余力はない。
 元農務大臣は「日伯が協力して、サトウキビ栽培やエタノール生産のノウハウを、アジア、アフリカ地域の貧困にあえぐ南半球に広め、バイオエネルギー生産地帯にする。仕事と富を生む方法を教え、石油だけに頼らないエネルギー事情にすることで、世界の地政学的な不均衡是正にも役立つはずだ。百周年の機会にこのような運動を始められれば素晴らしい」と熱弁をふるった。
 さらに、「日本移民は組合主義をブラジルに伝えただけでなく、セラードという不毛地帯を大豆生産地に変え、現在のブラジル農業のあり方に大きな影響を与えた」と語り、日本移民の農業への貢献を高く評価し、このような認識に基づいて今回のシンポを構想したと説明した。
 UNESP副学長のジュリオ・セーザル・ドゥルガン氏も「日本移民の農牧業への貢献を再認識するのがシンポの最大の目的」と位置づけ、「大豆食などを持ち込み、ブラジル人の食生活を変えたといっていい」との見解をのべた。
 同メモリアルのフェルナンド・レッシ理事長も「こんな重要なイベントの舞台に使ってもらって大変光栄だ」と語った。シンポの事務局長をするエリザベッチ・ウルビナッチUNESP教授は日本の大学(東京大学、東京農工大学、筑波大学)から十人、農水省から二人が参加することを強調し、九月には日本側でもシンポが行われる予定だと公表した。入場無料。同時通訳が付く。問い合わせは電話(11・5627・0426=マリーザ)まで。
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 【九日】午前八時半=開会式、午前九時半=ロベルト・ロドリゲス「日伯関係の伯側ビジョン」、午前十時=日本側農水省代表、十一時=「日伯技術協力」、十一時半=「農産物加工と農業機械の技術協力」、昼食、午後二時=「通商戦略ブラジル側ビジョン」、午後二時半=「輸出戦略」、午後三時=「日本市場における森林農業製品の位置づけ」、午後四時=「デカセギと社会統合、教育、健康」、午後四時半=「日系農家子弟とデカセギの問題」
 【十日】午前九時=「セラード開発」、午前九時半=「林業製品の環境評価」、午前十時=「農業における水利資源」、午前十一時=「農業と地球温暖化」、午前十一時半=「持続可能な森林運営、アジア、アフリカの場合」、午後二時=「未定」、午後二時半=「バイオディーゼル」、午後二時五十分=「未定」、午後三時十五分=「日本のバイオエネルギー」、午後四時=「南米の農業への日本移民の貢献」、午後四時二十分=「力行会の果たした役割」、午後四時四十分=「畜産」、午後五時=「農産業」、午後五時二十分=「日伯学術関係」、午後六時半=閉会式