ニッケイ新聞 2008年5月20日付け
新環境相に就任予定のリオ州環境局のミンク長官は十八日、ルーラ大統領との十九日の会見で受諾の条件十項目を提示の意向と十九日付けエスタード紙が報じた。十項目は同長官の提案で、その一つがアマゾナス国立公園と伐採指定区域の監視、伐採禁止区域の限定に陸軍の一部を起用。さらにウンジェル長期計画相をアマゾナス開発計画(PAS)から外すというもの。
陸軍の起用は、リオ州環境局時代に活躍した消防局の代替だと同長官がいう。十項目は新任者の要請として生意気だが、責任遂行のための要求。就任の打診は環境省一任と理解し、アマゾンを「炭焼き場」にしないと声明を発表した。
マリーナ前環境相の環境政策は、不変という。アマゾンを熟知する者は、彼女をおいていない。ウンジェル氏は、前環境相の追放劇で毒をもった一人。PASには、法の網を潜り不法行為を合法化する手口摘発に経験と知識を有する者を起用と述べた。
アマゾン地域のマフィアが、新環境相は理想論を述べる環境学者と舐めている。生命の危険は覚悟のうえという。大統領はリオ環境局時代の業績に賛辞を送ったが、連邦政府が知らない部分があり、環境許可の発行には権限と資金が必要だと同長官が語った。
前環境相の辞任に伴う国際間の見解は、ブラジルの勝手にさせないという考えで一致している。同長官は環境論で博士号を取得したが、無冠の環境専門家は多数おり、マリーナ陣営が引き続き机に座るという。
前環境相と異なるのは、二千五百万人の地域住民の「生活手段」である。これまで木を切って生活の足しにしていたアマゾンに、技術開発で持続可能な産業を起し、上下水道を開設して地域住民の生活向上を図る必要があると述べた。
環境省には現在、一万五千件の環境許可申請書が山積みとなり、汚職天国になっている。システムが中央集権方式だから、許可証が出るまで三年かかる。環境省高官をあごであしらう知事がいる。そんな知事がリオ州知事であったなら、ポン・デ・アスーカルもコルコバードも存在しなかったと同長官はいう。