ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 寝たきり生活を避けよう=主原因の一つ骨粗しょう症=食事、運動、日光浴に留意を

寝たきり生活を避けよう=主原因の一つ骨粗しょう症=食事、運動、日光浴に留意を

ニッケイ新聞 2008年5月20日付け

 寝たきり原因の一、二位を争い、女性に圧倒的に多いといわれる骨粗しょう症。十八日付けフォーリャ紙が、薬を飲むより、食事や運動、日光浴などに留意すべきとの記事を紹介している。
 骨粗しょう症は、骨の密度が落ちて骨折しやすくなるなど、様々な問題を引き起こすが、症状が表に現れず、気づかれにくい病気の一つで、カルシウム不足が第一要因。人体には、血液中のカルシウム濃度が足りなくなると、骨のカルシウムが溶け出して不足分を補うという機能が備わっているが、偏食、拒食のほか、加齢や閉経、ストレス、過労などでカルシウム吸収率が落ちると、食事で十分な量を採っていても骨からのカルシウム流出が起きる。骨の密度が二五%以上不足していれば、骨粗しょう症、それ以下の場合は予備軍と目される。
 骨密度が落ちて骨折しやすいのは大腿骨頸部や脊椎、手首など。高齢者がカーペットやエレベーターの段差で転んで骨折した時などは、骨粗しょう症による場合が多い。
 治療は、骨粗しょう症まで進んでいれば薬を使う必要も出てくるが、予備軍の場合、大半は薬は不要。十八日の記事は、九〇年代から予備軍にも薬を使う傾向が強まったことへの警鐘でもあり、予備軍レベルなら、薬よりも食事、運動、日光浴に留意し、転倒防止を心がけるよう促している。
 六二歳のボルジェスさんの場合、五〇代になってからは、毎日コップ四杯の牛乳を飲むほか、ほぼ毎日の運動実施。運動はジョギングや散歩程度の軽いもので良いが、カルシウムの定着を促すビタミンD吸収のため、日光浴も有効。小柄で、白人、酒やタバコの常用者、閉経後の女性などは危険度が高い。一方、カルシウムやビタミンD剤の処方以外は、基本的に生活習慣を指導するという医師の言葉なども紹介されている。
 五〇歳以上の女性は二人に一人が患者といわれるが、患者の四人に一人は男性との数字もある。脊椎の圧迫骨折では神経の圧迫も起こり、大腿骨骨折とともに、寝たきりの原因となりやすい。