ニッケイ新聞 2008年5月20日付け
マルタ観光相はサンパウロ市長選に立候補するため十九日後、辞任しなければならなくなった。マルタ観光相のお花畑には雨が降らず、隣のお花畑にしか降ってくれない。
観光相が頼りにしていた連立政権の忠臣PMDB(民主運動党)やPR(共和党)、PTB(ブラジル労働党)はライバルに誘惑され、観光相は指をしゃぶって看過。
PMDBとPRは、カサビ候補(DEM=民主党)へ。PTBはアウキミン前知事へ。連邦政府の連立関係は、地方選では思惑違いだ。今のところ、マルタ陣営は食い千切られるばかり。
サンパウロ市長選では、ライバルが市と州の行政マシンを餌にちらつかせている。それなら観光相は、ルーラ大統領の陣頭指揮で連邦マシンをちらつかせたらよい。絶対的支持率を有する大統領は、この上ない味方のはず。
それでもマルタを、誰も口説いてくれないのか。果実は熟れて落ちるまで、待っていてはいけない。落ちる前に収穫すること。観光相を誰も抱いてくれないのなら、自分から抱きつけばいい。
抱きつく相手が三位のカサビでは、不自然だ。アウキミンなら、州知事に返り咲いてくれると、市長へ繰り上がれる可能性がある。それも不自然だ。
他にPDTはパウリニョ理事長の関与疑惑で病んでいる。PSBは、エルンジーナ下議に副を断るよう命令した。どれも印象が、よくない。