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レアル銀行=百周年記念展示会=日本移民の貢献をテーマ別に=人名検索システムも=パウリスタ本店で21日から

ニッケイ新聞 2008年5月20日付け

 レアル銀行は百周年を記念し、日本人移民のブラジル社会への影響をさまざまな視点から見る展示会「私たちひとりひとりの日本」をサンパウロ市パウリスタ大通りの本店(Av paulista 1374)の入り口ホールで今月二十一日から始める。パウロ・ガルセス・マリンス氏(歴史研究家)と大井セリア氏(ブラジル日本移民史料館元館長)が総合コーディネーターを務めた。レアル銀行のリー・デ・ヴリエス文化企画部長は、期間中に約七万人の来場を見込み、「日本人のブラジル社会への貢献を多くの人に見てもらいたい」と話している。七月十八日まで。
 会場となるレアル銀行本店入り口の大ホールの上には、折り紙で作ったブラジルの鳥、アララが飾られ、日伯の〃統合〃を表現。日本移民や現代の日系社会のイベントなどを、写真パネルを立体的に組み合わせた展示が目を引く。
 展示テーマは、「経済」「科学とテクノロジー」「アート」「都市生活」「日常のなかの日系」の五つに分かれており、映像や二十一万人分の移民を名前や県別にコンピュータ検索できるコーナーもある。
 日本移民が持ち込み、ブラジルに定着させた柿や白菜などの農産物を展示する「経済」のコーナーでは、一九四〇年に設立され、九八年にスダメリス銀行(昨年九月レアル銀行に吸収合併)に吸収された「南米銀行」の小切手や職員名簿など、往時を偲ぶ展示も。
 「科学とテクノロジー」は、ブラジル国内の大学や研究機関で活躍する日系人のインタビュー映像を紹介、サンパウロ、パラナ両州で学んだ日系大学院生のデータも検索できる。
 マリンス氏は、「ブラジルの主要な生産品であるエタノールの原料となるサトウキビの五〇%の種は日系技術者が品種改良したもの」と説明する。
 美術評論家、ステラ・テイシェイラ氏が担当した「アート」では、レアル銀行が所有する日系芸術家の所蔵作品を展示。間部学、福島近、高岡由也、上永井正らの絵画のほか、鈴木章子、本間秀子、仁居樹美さんの作品や日本的な技巧を取り入れたブラジル人陶芸家の作品なども楽しめる。
 なお、ブラジル国内で日系企業により生産される食料加工品なども多く展示、「コーヒーやカシャッサもあり、日伯の統合を象徴しているのでは」とマリンス氏。
 俳句や短歌、マンガなどの展示、スポーツ分野での日系人の貢献をオリンピックや国際大会のメダルなどで見ることができる。
 大井氏は、「日本移民の古い歴史だけでなく、現代に続くブラジルとの繋がりを見てほしい」と全体のコンセプトを話し、多くの来場を呼びかけている。