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「遺伝子」を分かりやすく=DNAの権威、村上博士=5都市で講演へ

ニッケイ新聞 2008年5月21日付け

 DNA解明の世界的な権威、村上和雄筑波大学名誉教授の講演会「遺伝子オンで生きる」―良い遺伝子を目覚めさせる方法―が、来月、バウルー、ロンドリーナ、マリンガ、サンパウロ、モジ・ダス・クルーゼスの五都市で開催される。各市の日本移民百周年祭典実行委員会が講演会を支援し、実行団体となる。村上名誉教授の招聘は、同氏が奈良県天理市出身の縁もあり、天理教ブラジル伝道庁がおこなった。
 招聘した伝道庁の中西光造主事、今井勤主事によれば、村上氏は、異色の科学者である。遺伝子分野の研究が急速にすすむ中、眠っている遺伝子を目覚めさせ、新たな可能性を見出すにはどうしたらいいか、という命題に取組んでいる。
 三六年生まれ、六三年京都大学大学院農学研究科農芸化学専攻、博士課程修了、米国オレゴン医科大学研究員、米国バンダビルト大学医学部助教授を経て、七八年筑波大学応用生物科学系教授に就任、遺伝子研究に取り組み、高血圧を引き起こす原因となる酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功した。これが世界的に有名なパスツール研究所やハーバード大学に先駆けての快挙だったため、一躍注目を集めた。現在、ノーベル賞候補の一人と目されている。
 講演日程、会場は以下のとおり。六月七日午後七時半=バウルー、市立劇場、十日午後七時半=ロンドリーナ、マリスタ劇場、十一日午後七時半=マリンガ、アセマ会館、十三日午後七時半=サンパウロ、文協大講堂、十四日午後三時=モジ、市立フォルマソン・ペダゴジカ大講堂。講演は各会場とも日本語で行なわれ、ポ語の同時通訳ががある。