ニッケイ新聞 2008年5月22日付け
「県知事や議長などの来賓に、グアルーリョス国際空港などでVIP扱いをするなら、二十一日までにサンパウロ州儀典局まで連絡を」。そんな緊急を要する重要なファックスが先日、各県人会事務局の送られた。ところが、締め切り前日の二十日現在、返信があったのは、百周年式典前後に来賓が来る予定の十七県人会中四団体のみだった。
二十日午後、サンパウロ市セントロにあるサンパウロ州スポーツ・レジャー・観光局内で日系旅行社約十社を集めた会合が持たれ、百年祭での日本からの来賓への対応が話し合われ、そう報告された。
同局の儀典室長、安田ジェニーさんは「サンパウロ州政府としては、来賓にできるだけのいい印象を持ってもらえるように、最大限の便宜を図ろうと考えています。クラウリ・アウヴェス・ダ・シルバ局長と共に四月末に日本であった百周年式典へ赴いた折りには、大変なよい待遇を受けました。そのお返しをしなくてはと局長ともども考えているところです」という。
同儀典室では知事などのVIPを空港の特別待合室に誘導したり、税関、連邦警察などの列に並ばなくてもすむように手配する便宜を図るつもりだが、「まったく情報が集まらない」状況だ。「VIP全員の名前まで分からなくてもいいから、主な来賓と人数、来伯する便名、離伯する便名などを早急に知らせて欲しい」と訴えた。
加えて、県人会の指名する人物二人(来賓の顔が分かる人)を、空港の内部に特別に入れる待遇も用意している。
県人会は従来、日系政治家を通して州政府にこのような対応を依頼していたが、百年祭ではあまりに来賓が多く、個別に要請をしていては逆に混乱を招きかねないとの心配から、今回の処置となった。
また、一般観光客に対しても、六月のピーク時には同空港内に日本語の案内表示を臨時に設置したり、日本語のできる空港ガイド要員を配置することを検討している。
先日、同儀典室からは全県人会に対して、その旨を記したサンパウロ州スポーツ・レジャー・観光局名でFAXが送られたが、二十日夕刻までに返答があったのは、知事、副知事、議長らの来伯が予定される十七県のうちわずか四県人会(福岡、長野、茨城、大阪)のみ。
そのため二十日の会合で急きょ、受付締め切りが二十六日(月曜)に延ばされた。以下の県人会は、旅行社を通して、もしくは同儀典室(FAX11・3106・0773)まで直接に連絡を取る必要がある。山形、栃木、群馬、福井、山梨、兵庫、鳥取、広島、香川、佐賀、長崎、島根、新潟、長野、高知、奈良。
安田儀典室長は、「百周年は始まりに過ぎないと局長は口癖のようにいいます。これを機会にブラジルを気に入ってもらい、何度でも戻ってもらわなければ」と力を込めた。