ニッケイ新聞 2008年5月29日付け
【共同】われら「優秀青年」、新天地で頑張るぞ――。ブラジル移民が渡航前に研修などをした旧神戸移住センター(神戸市)の一室で、移民が壁に書き残した落書きが新たに見つかった。「優秀青年」「三名」「渡航ス」などと記されており、名前の一部とみられる「田」「島」との文字もあった。
移民史に詳しい日伯協会の黒田公男常任理事は「戦後、働き口を探して移住した独身青年たちが書いたのではないか。成功するんだという強い思いが感じられる」と話している。
ブラジル移住百周年にちなんで同センターが六月から保存・整備のために改修されるのを控え、移民経験者らが落書きを探していた。
見つかったのは、移民が宿泊に使ったとみられる部屋のはり部分。上から塗ったペンキをはがすと赤い文字で「優秀青年成 上三名 四月二 午後四時ア ゼンチナ丸に置 渡航ス」と書かれていた。「三重県」とみられる文字もあり、同県出身の三人だったらしい。