ニッケイ新聞 2008年5月30日付け
クレジットが一兆レアルを超え、インフレに油を注いでいるのは明らかなのにルーラ政権は、財務省の経済政策を制限することもなく、ただ疑問視するだけだ。中銀は消費を抑えるべきか、経済の構造つくりに努力すべきか迷っている。
クレジット総額は、GDP(国内総生産)の三六%に達した。中銀報告書は、まだ大したことはないと思っているらしい。チリなど六七%で、二兆レアルだ。銀行や国庫は、リスク計算も保障管理もせず貸している。
債務がGDPの六〇%に達した二〇〇二年、当時の苦い経験を忘れたらしい。借金がある人は、給料や年金からの控除を認めた。家賃踏み倒し防止に、敷金徴収を認めた。金銭感覚に疎い人間は、借金の決済に女房を貸すのさえいた。