ニッケイ新聞 2008年5月30日付け
増田秀一さん(俳号恆河、ペンネーム敦賀葵花)が、二十八日夜、サンパウロ市内クリニカ病院で老衰のため死去、九十七歳。
エメボイ実習場の修了生、元パウリスタ新聞記者。コロニア文芸界で指導的役割を果たした。絵を描き、俳句をよくし、連句の名手だった。ブラジルにハイカイを根付かせた功労者、指導の第一人者。中高年になってから、果敢に短歌づくりに挑戦、衰えぬ意欲を持ち続けた。いつも本質をついた、分かりやすい随想を書いた。著書『エメボイ実習場史』は、日本人移民の貴重な資料にもなっている。
晩年は、ミナス州グァペのシチオで悠々趣味を楽しんでいた。二十九日午後、アラサ墓地で告別式、埋葬された。