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Fitchも格上げ=草木もなびく投資有望国へ

ニッケイ新聞 2008年5月31日付け

 先のS&Pの格付け引き上げに続き、Fitch格付け会社も二十九日、ブラジルに対し、投資有望国として格付けの引き上げを行ったと三十日付けエスタード紙が報じた。これで、世界三大格付け会社のうち、Moodyを除く二社がブラジルを推したことになる。
 ブラジルは、米金融危機にも動じず、政治もそこそこ好調。政府基金の創設構想を打ち出し、コモディティの波にもうまく乗ったという評価だ。同発表でドルは一・〇九%下げ、一レアル六三七セントにつけた。
 ドルの値下がりは、格付け会社二社がブラジル投資に太鼓判を押したから外資流入が倍増し、国内に外貨がだぶつくと見たからだ。これで、世界中の年金基金など、三千八百億ドルがブラジルへ流れ込みそうだ。
 ブラジル投資は、ドルだけではない。これからは、円やユーロも億単位で入る。こんなに外資が入ったら、ブラジルの民間企業や政府は安い資金を海外で調達できる。しかし、高金利と重税は、ともに国家の構造だからいじれない。
 ブラジルは投資有望国だが、財務体質はよくない。ブラジルがしなければならないのは、社会保障院の赤字対策とGDP(国内総生産)に対する債務率の削減。
 世界には金融資産が百二十兆ドルあり、その三分の一の四十兆ドルは、投資基金や年金基金の資金である。ブラジルの投資ランクがもう一段上がると、三十八兆ドルはブラジルへ投資されそうだ。

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