ニッケイ新聞 2008年5月31日付け
日系スポーツ界の振興に貢献した人たちを表彰する「第五十二回パウリスタ・スポーツ賞贈呈式」が二十九日夜、文協ビル大講堂で行われた。ニッケイ新聞社(高木ラウル社長)主催。今年は射撃、合気道、ソフトボール部門を加えて、十六人が受賞、移民百周年を記念して五団体と三人の個人に特別賞が贈られた。受賞者は十九歳の若者から八十八歳までと幅広い年齢層。会場に詰め掛けた家族や仲間から温かい拍手が送られる中、それぞれが記念プレートを受け取った。
パウリスタ・スポーツ賞は一九五七年、勝ち負け抗争で分かれた日系社会をまとめると同時に、スポーツ振興を図るため、当時のパウリスタ新聞社が創刊十周年を記念して創設。コロニア・スポーツ界の発展にともない受賞部門も増え、九八年に同新聞社と日伯毎日新聞が合併してニッケイ新聞になってからも、毎年続けられている。
ブラジル水泳界初のメダリストで昨年十月に亡くなった岡本哲男さんに黙とうを捧げた後、ニッケイ新聞の高木ラウル社長があいさつ。五十二年に及ぶ同賞の意義などを述べたうえで、スポーツ関係者らに「これからも続けて活躍して欲しい」と激励した。
来賓者祝辞で、在聖総領事館の丸橋次郎首席領事は、「日本人移民とその子孫は農業だけでなくスポーツでも活躍してきた。オリンピックに出場する日系選手の活躍も期待したい」。続けて飯星ワルテル連邦下議、園田昭憲県連副会長があいさつし、受賞者を祝福した。
その後、各来賓から受賞者に銀の記念プレートが贈られ、各部門の代表者が謝辞を述べた。合気道で個人の特別賞を受賞した、在リオ総領事館首席領事の池田敏雄さんは「栄えある賞を頂き大変光栄。これからも合気道の普及に努めたい」と決意。同じく剣道部門で受賞した堤寿彦さん(リオ在住・前リオ商工会議所会頭)は「地球の反対側でこんな賞を頂けるとは思わなかった」と日ポ両語であいさつした。
特別賞・団体を代表してピラチニンガ文化体育協会の重田エルゾ会長、スポーツ部門を代表してゴルフで受賞した西尾ロベルトさんがそれぞれ謝辞を述べた。
表彰式後、舞台で記念撮影し、サロンでカクテルパーティーが開かれた。最年少受賞者の知花カルロス・こしろうさん(19・柔道)は「トレーニングと試合を続けていくだけ。常に前進あるのみです」とさらなる飛躍を誓っていた。
なお来賓には羽藤ジョージサンパウロ市議、ウイリアムー・ウー連邦下議らはじめ、会場一般席には移民百周年協会の記念マスコットをデザインしたブラジル人漫画家、マウリシオ・デ・ソウザ氏も駆けつけていた。
【受賞者】
相撲=竹市優(72)、ゲートボール=花岡義美(88)、陸上=清水よしあき(79)、パークゴルフ=土井大生(74)、柔道=知花カルロス・こしろう(19)、ソフトボール=比賀ミウゼ・まゆみ(22)、水泳=佐々木ジョン(68)、ゴルフ=西尾ロベルト・よしひろ(64)、テニス=広瀬アルナルド(56)、古武道=ダニエル・サントス・モラエス(40)、野球=パウロ・ロベルト・オルランド(22)、卓球=杉町ケイイチ(64)、剣道=岡地かずひろ(56)、マレット・ゴルフ=ネイデ・メンデス安立(41)、射撃=山本恒夫(73)、合気道=河合禮慎(77)。
【特別賞】
団体=ピラチンガ文化体育協会、日本カントリー・クラブ、リベルダーデ歩こう友の会、パウリスタ野球連盟、国際空手連盟極真会館ブラジル支部。個人剣道=堤寿彦(55)早苗(54)、個人合気道=池田敏雄(55)、パウリスタ・スポーツ賞担当役員=中野光雄(77)。