ニッケイ新聞 2008年6月5日付け
市長選への幕が正式に切って落とされる直前、四日付け伯字紙が、マルタ観光相とマリーニョ社会保障相が閣僚を辞任し、選挙戦に身を投ずると報じた。
これまでは、大臣としての発言に終始し、市長選への言及を避けてきたマルタ氏も、観光相として最後のイベント参加後の三日夜、正式な閣僚辞任承認を受け、四日付けで辞任、六日にはサンパウロ市長選の候補者として最初のイベントに参加する。
最後のイベントでは、会場を埋め尽くした子どもたちと時を過ごし、国内外で良く知られる人気者のモニカを観光大使に任命した。マルタ氏はモニカに「観光大使は責任重大」と語ると共に、「バカなこと言っちゃダメよ」と進言。会場では、「大臣任期中で、一番嬉しい催しだった」との感想を洩らしたが、選挙戦予想でアウキミン氏とトップ争いとの報には「いい結果」とだけコメントした。
選挙戦予想は、世論調査・統計機関が先月二十七~二十九日に六百二人を対象に行ったもので、一時投票の予想では、マルタ氏三〇%、アウキミン氏二八%、カサビ氏一三%の順で、過去の調査と大差ない。統計的誤差は四%で、トップの二人は実質互角といえるが、特定候補の名前を挙げず、誰に投票するかを聞いた時には、マルタ氏一三%、カサビ氏一〇%、アウキミン氏九%、まだわからない四九%という数字。
一方、二次投票については、マルタ対アウキミンが四〇対五〇、マルタ対カサビが四七対三八、アウキミン対カサビが五六対二五との結果で、現時点ではアウキミン氏リードといえる。
他方、マルタ氏と共に閣外に去るマリーニョ氏はサンベルナルド市長選に参加するが、省職員らとの送別にあたり、「我々の思いも一緒に持って行ってくれ」との声援を受け、涙ぐんでいたという。
時期的にみて、選挙に対する関心はまだ低いといえそうだが、アウキミン氏はサンパウロ市長当選後に、セーラサンパウロ州知事の大統領選応援の報など、政治の世界では、早くも二〇一〇年を見越した話が盛んにされている。