ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 中銀、金利再引き上げ=通貨政策批判で烽火上がる

中銀、金利再引き上げ=通貨政策批判で烽火上がる

ニッケイ新聞 2008年6月6日付け

 中央銀行通貨委員会(Copom)は四日、基本金利を先月に引き続き〇・五%引き上げ、年利一二・二五%にしたと五日付けエスタード紙が報じた。市場は二〇〇八年と〇九年のインフレが悪化すると見て、引き上げは予想していた。
 〇・五%の引き上げは、リスク格付け会社のランク上げで政府は財政黒字目標を四・三%に引き上げるという投機を抑えるため予想以下にしたと見られている。
 これからの通貨政策はインフレ状況と需要の伸びによるが、失業率の低下や設備の稼働率八三・二%、ローンの成長振りは、インフレ要因として波乱含みである。
 年末の基本金利一四%は、多数の憶測である。インフレは原油と食糧の高騰、需要の伸びで五・五%から六%が確実と見られている。
 金融市場では通貨委員会の基本金利決定はるか前、妙な動きがあった。まずCUT(統一労組)が、政府の経済政策に抗議した。抗議内容は、基本金利と財政黒字が不当に高率であることと、労働者への所得格差是正の優先を訴えたものであった。
 CUTは十九日、中銀前で総決起大会を開くらしい。旗印は低金利と産業の勃興。中銀は、外国投資家の尖兵で生産的産業の敵だという。
 Fiesp(サンパウロ州工業連盟)は、金利引上げで生産を抑制して経済成長を妨げるより、債務を増やし、増税の原因となる政府経費の削減が先だという。高金利政策に対する抗議運動が国民レベルで盛り上がりつつある。