ニッケイ新聞 2008年6月10日付け
農地改革院(Incra)が外国人や外資系企業の農地購入を調べたところ、面積でマット・グロッソ州が一番多く、七十五万四千七百ヘクタール。続いて、サンパウロ州の五十万四千七百ヘクタールであると九日付けフォーリャ紙が報じた。
続いて南マット・グロッソ州、バイア州、ミナス州、パラナ州、ゴイアス州、パラー州の順。国別では米国、フランス、日本、スイス、ドイツ、オランダ、ベルギー、イタリアの順。
外国人地主がもっとも多いのは、サンパウロ州で一万一千四百人。続いてパラナ州の五千三百人、ミナス州の二千二百人、バイア州と南リオ・グランデ州が夫々二千人。
農耕地の総面積が五百五十万ヘクタールであり、外国人所有の農地は三百八十万ヘクタールで半分以上となっている。Incraは非居住の不在地主に対し、ブラジル人と共有し直接投資を行うよう指令した。
ブラジルは連邦令により土地所有を外国人にも広く開放し、食糧危機やバイオ燃料の生産に貢献することを願っている。しかし、土地転がしなどで外国人の金儲けに利用されている。
マット・グロッソ州では、銀行の農業融資を決済できない生産者が多数、農地を安く手放している。そこへ目をつけた外国人が、足元を見て二足三文で買い叩いている。海外で低利資金を調達できる者が、限度ある農地取得に有利だ。
外国人の土地購入で最も懸念されるのは、北東伯地方における海岸線の買収である。北東伯諸州は、外国資本がブラジル人を経営者に仕立てた土地買収が主である。