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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2008年6月10日付け

 サントス厚生ホームは、市内のバイシャーダにある。同地域は、古い建物が圧倒的に多く、みんな五、六十年くらい経ている感じ。セピア(黒茶色)とはいわないが、街がくすんで見える。具象画の絵描きの創作意欲をそそりそうだ。
 実は、ホームの建物が、この風景に馴染んでいる。築十七年も経れば当たり前かもしれない。施設の性格からいえば、明るく見えるほうが、入居者や訪問者に気持ちを引き立たせるだろう。
 ホームから百メートルほど離れた廃屋が、サンパウロ連邦大学の校舎として生まれ変わることが、散歩してわかった。さぞかし、アカ抜けた新築物になることだろう。
 援協は、福祉センターの建設などで物入りだ。ホーム自体の維持費捻出もたいへんである。そういうことを承知しているだけに、〃お化粧直し〃のことは、なかなか言い出しにくい。 (神)