ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | Varig違法売却=検察庁が名義賃貸を解明=告発はやぶへびか=政府、会社更生法で防御=法廷外取引の適用範囲は

Varig違法売却=検察庁が名義賃貸を解明=告発はやぶへびか=政府、会社更生法で防御=法廷外取引の適用範囲は

ニッケイ新聞 2008年6月11日付け

 検察庁は九日、Varigを買収したVarigLog(以下VL)のブラジル人経営者三人がラランジャ(名義賃貸人)だとする告発を解明する意向と十日付けエスタード紙が報じた。同買収劇に官房室の圧力があったとする告発は、背景に何があったか与野党の間で新たな展開となっている。
 検察庁にとって、VLは買収のために米系ピーターソン・ファンドが設立した偽装会社であることは、新たな告発であり航空法に抵触する。同件は二〇〇六年、航空会社組合(Snea)の偽装告発で捜査されたが、保留となっていた。
 Varigは二〇〇七年、GolがVLを買収し、ブラジル人経営者の手に納まったと理解された。検察庁は、同件を最終的に保留とした。しかし、Anac前理事の告発によれば、VLの経営陣は、ロウセフ官房長官の作為による偽装だという。
 検察庁が二〇〇六年、Anacから得た書類によれば、アブレウ前理事の告発は立件できる。VLの経営者アウジ氏の提出書類には、所得税申告書と社会保障院の納税証明が欠落し、提出は守秘を理由に拒否した。
 政府は、官房長官の援護とアブレウ前理事追い落としで総力戦の準備中だ。会社更生法改正案が当時、議会で承認された。同法は、Varig売却のために作られたような法令であった。
 航空業界の経営難救助のため、議会は二〇〇五年、会社厚生法の改正を急いだ。同法改正案は、債権者によって押収された航空機の封鎖解除であった。さらに会社更生法の適用下にある企業へ法廷外取引を容認することも含まれた。
 同法によれば、官房長官がVLに便宜を図るため圧力をかけたとする告発は無に帰する。政府としては、官房長官と同売却に関わった大統領の友人テイシェイラ弁護士の上院喚問を避けるため、告発を一刻も早く不当処分にしたいところだ。
 野党は、アブレウ前理事から要となる二点で証拠物件を求めている。一は、航空法に抵触した外資系企業へのVarig売却。二は、Varigの債務引継ぎを免除した証拠書類である。