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IBGE発表=国内消費が支える経済=景気減速の兆候も=ローンでけん引する花見酒=輸出減から210億R海外調達

ニッケイ新聞 2008年6月12日付け

 ブラジル地理統計院(IBGE)は十日、二〇〇八年第1四半期の国内総生産(GDP)が、前年同期比で五・八%増と発表したことを十一日付けフォーリャ紙が報じた。経済成長の牽引車とされる指標では過去十二カ月のGDPも五・八%増、工業生産は六・九%増、設備投資は一五・二%増、消費は六・六%増とどれも好調らしい。
 経済成長率は伸びたものの、成長の度合いが緩やかな減速経済に入った。第1四半期のGDPは、前期比〇・七%。年間成長率目標は、六%と見込んでいるので〇・二%下回った。
 工業生産と設備投資は、前年同期と同率。各家庭の消費は、十八カ月連続で伸び続けた。経済成長の推進力となったのは、三三・七%も増えたクレジットと六・九%の昇給である。
 さらに増えたのは、選挙年を反映した公共経費で、昨年比五・八%増。公社の経費は、中銀がインフレ抑制に努めたため少し減った。
 貿易は、輸出の増加よりも輸入の増加が、今年も大きい。さらに、国内生産が消費の伸びに対応できないのも問題である。舶来品消費へ生活スタイルが変りつつあるのも、将来が心配だ。
 第1四半期の輸出は二・一%増に対し、輸入は一八・九%増となった。この調子で行けば、第1四半期に二十一億レアルを海外で調達せねばならない。昨年は十億レアルで済んだのに。
 GDPに占める輸出が、二・六%後退した。減速経済の原因は、輸出の後退といえる。減速経済はインフレを抑制する面もあるが、士気の低下が由々しい。第1四半期の減速は、経済の活力を殺いでしまう。
 本来輸出されるべき製品が、国内消費へ回されている。これは輸出量で経済の停滞を引き起こす。輸入の多くは、工作機械と輸出用副原料などである。この機械設備が生産増加に至るには、技術の習得や熟練工の養成と時間がかかる。