ニッケイ新聞 2008年6月12日付け
国立農事試験場(Embrapa)は、エタノールの原料であるサトウキビ(以下ケン)の次世代原料を模索中であった。候補に上がっているのは、高粱である。高粱の栽培期間は、ケンが十八カ月であるのに対し、僅か三カ月半である。
収穫量は、ヘクタール当たり八十五トンでケンとほぼ同じ。エネルギーの含有量も同じ。栽培適地は、ケンに向かない土質や痩せ地でも可。気象条件は緩く、乾燥地帯でも繁茂する。
高粱は従来、飼料用に使われた。乾燥した粒状物なので貯蔵が容易だ。糖分はケンの七〇%、エタノール発酵の妨げとなるリグニンは半分。エタノール精製のプロセスが、簡単になる。