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ペトロブラス=過去最大の油田発見=産油国入りも可能=6000億ドル投資、500億B産油=ブラジルの国際的地位に変化

ニッケイ新聞 2008年6月14日付け

 ジュネーヴの国連会議に出席したルッピ労相は十二日、サントス沖の岩塩下で新たな良質の大油田発見と発表したことを十三日付けエスタード紙が報じた。埋蔵量は、過去最大と見られている。ペトロブラスはこれまで、多国籍企業などの企業連合多数によって試掘していたのを、一社の大連合にまとめる考えだ。
 労相の油田発見発表は予告編。新油田の場所は、ツッピーとカリオッカの中間でグアラーと呼ばれる地点。ブラジル油田の総埋蔵量は、政府やペトロブラスが発表する量よりはるかに多いと労相が明かした。
 鉱動省が近日中に詳細発表をするが、世界はもう一度驚くという。ルーラ大統領がいった「神様がブラジルを通りがかり、余程気にいったらしい」は、実感がある。ブラジルは、世界第三位の石油埋蔵量を有し、産油国に仲間入りしそうだ。
 原油は、API二八度で国際相場が高価なもの。試掘をしているのはペトロブラスが四五%、BGグループ三〇%、RepsolYPF二五%の企業連合。サンパウロ州の沖合い三百十キロの地点で、水深二千百四十一メートル、油田までの深さは、五千メートルある。
 国際エネルギー機関(IEA)は、石油の偏在に戸惑っている。カリオッカ油田の埋蔵量三百三十億バレルも信じ難いが、それを越す油田とは国際情勢を動揺させるので信憑性が欲しいと注文した。ブラジルの国際的地位が、見直されつつあるのは確かという。
 ブラジルが来る十年、サントス沖油田から受ける思わぬ恩恵をIEAは計算してみた。ブラジルが産油国として世界に覇をとなえるには、六千億ドルを投資し、五百億バレルの原油を産出する必要がある。
 サントス沖に大油田のあることが分かったので、ペトロブラスは試掘を企業連合の大世帯一社にまとめ、総司令部を据える考えだ。これまでの区域切り売り方式だと、一つの油田で二つの企業連合が油田発見の名乗りを挙げる可能性がある。これは避けたい。