ニッケイ新聞 2008年6月17日付け
コンサルタント・クエストは十四日、過去二年ブラジルの消費市場をけん引した北東部および北部の消費がインフレによるかげりを見せたと発表したことを十六日付けエスタード紙が報じた。
全伯三月の消費平均は昨年同月比一三・二九%増であったのに対し、北部が七・七八%増、北東部が一一・四七%増と平均を下回った。
産業界が、消費財とネット・ワークで投資の対象とした北東部および北部の消費にかげりが見え始めた。両地域は過去二年、消費市場をリードしたが、昨年九月から形勢が逆転した。
ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によれば、それ以後両地域は常に全国平均を下回り、現在に至るまで低下。同地域は減速すると、インフレが低所得層を直撃するから落ち込みも早い。
特に北東地域は、大部分がCDクラスである。過去二年同地域の経済を支えたのは、最低賃金の調整と生活扶助金、低率インフレであった。それが上弦の月のように食料インフレが進み、消費者の所得を蝕み始めた。
最低賃金の労働者は北部が二八・四%、北東部が三九・七%で両地域に集中している。金の卵を産んだ鶏は、短期間で産み終えた。異常気象と天候不順も観光客の客足を落とした。
低所得層の主婦は、物価の値上がりに驚いている。インフレが落ち着いて、ホッしたのも束の間であった。物価の高騰には金融市場の流言も一役かっている、と財務相と中銀総裁は苦言を呈した。金融商品の高騰が物価の高騰に油を注ぎ、相乗効果を狙っている。年末に物価は低下し、インフレは鎮静すると中銀は見ている。