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ゲリラ戦の訓練開始=コ米連合軍のAM侵犯想定

ニッケイ新聞 2008年6月18日付け

 ブラジル政府がFarc(コロンビア解放前線)幽閉中の人質を解放する交渉を始めた矢先の今年三月、コロンビア空軍のエクアドル領土侵犯とFarcナンバーツーの殺害があった。ルーラ大統領は「Farcから手を引け」というウリベ大統領のサインと理解したと、ブラジル版ル・モンド・ディプロマティック六月号が報じた。
 ブラジル国防省参謀本部は二〇〇四年、陸軍のエリート部隊をゲリラ戦訓練のためヴェトナムへ派遣した。元ヴェトコン特殊部隊は、対米戦に造脂が深いからだ。目的はアマゾン侵略に備え、実戦体験がある精鋭部隊と対戦するためである。
 エリート部隊指揮官のフィゲイレイド将軍はヴェトナムから帰国すると、二万五千人のゲリラ戦特殊部隊を抜擢し、アマゾンのジャングルで対米戦ドクトリンに従って訓練を始めた。
 物量と戦術ではるかに勝る敵と対峙するときの訓練を受けた部隊は、世界にも例がない。アマゾンが、米軍のような優勢な敵軍の直接また間接侵略を想定した奇襲作戦の訓練である。
 米政府は九・一一テロ以来、アマゾン熱帯雨林と南米トライアングルをテロの拠点と見ている。ラムスフェルド前国防長官とウリベ大統領は、コカイン掃討作戦を立案し、南米への多国籍軍招聘を考えている。
 ブラジリアにおいて三月十八日、両人は「柔軟性のある国境線と国家主権」をライス国務長官の名前で提案した。ルーラ大統領は前々日、コロンビアの領土侵犯決議にサインしたばかりだ。
 コロンビアがFarc基地爆撃に爆弾GBU12を使ったことは、人道上許されない戦闘行為とブラジルは見ている。コロンビアと米国に対しブラジルが、その欺瞞性に深い疑心暗鬼を抱いた。