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■記者の眼■入場者の当日対策を=混乱呼ぶ広告の内容

ニッケイ新聞 2008年6月18日付け

 サンパウロ市百周年式典の入場券配布の遅れに関連して、編集部への問い合わせが連日続いている。というのも、入場券の申し込みはしたものの、自分の席が確保されたかどうかの連絡が、百周年協会から一切ないためだ。
 特に日系旅行社は頭を抱えている。日本から「本当に入場できるんだろうな」と、確認を催促する電話がジャンジャン入っているという。
 三万人弱しか入れないサンボードロモ会場に四万人もの申し込みが集まっているため、申し込みしても全員が入れるわけではない。その確認は百周年協会事務局(11・3209・3875)でしかできない。
 入場券は、木曜日まで文協の展示室で午前十時から午後八時まで配布されている。当初は金曜日までと広報していたが、十七日の情報では変更になったので要注意だ。
 「地方在住者にはSEDEXで送付する」と重田エウゾ祭典委員長は言っているが、それも確認が必要なようだ。サンパウロ市近郊在住者は文協まで取りに行かないと入場券は手に入らないという。
 ところが現在、エスタード紙やフォーリャ紙始め、多くのメディアに百周年協会が行っている広告には、式典の日時・場所、および「Entrada Gratuita」(入場無料)としか書いていない。
 「二十一日はすでに満員。二十二日分も事前に申し込み、入場券を受け取る必要がある」とは広告に書かれていないため、広告だけをみて当日、ブラジル人一般の人が殺到することも予想される。
 もし当日、百周年式典に参加して皇太子さまを一目見ようと足を運んだブラジル人を、その場で追い返すことになったら、あとあと悪い評判を呼ぶ可能性も大だ。
 かといって入場券のない人を大量に入れれば場所も狭くなり、事前に苦労して手に入れた人から文句が出るのは必至。
 それに、この百年間の基礎を作り上げてきた古参移民を代表する老人クラブ連合会が式典に百四十人分の席を申し込んでいたが、十七日に百席だけに減らされたという。楽しみにしていた一世らは途方にくれている。
 「高齢者優先」を謳っていた百周年協会だったはずだが…。同伴者が欠かせない年代だけに、これでは上原幸啓理事長の常套句「先人への敬意」はどこへいったのかと疑問を抱かざるをえない。
 とにかく、入場券に関する当日のドタバタは十分に予想される事態だけに、なんらかの対策を考えておく必要があることを〃予告〃しておきたい。(深)