ニッケイ新聞 2008年6月21日付け
「天皇皇后両陛下よりの御下賜金をお渡しします。くれぐれもよろしくとのことです」と皇太子さまは述べられ、両陛下からのを上原幸啓百周年協会理事長に渡された。
ブラジル日本移民史料館が進めるアーカイブ・プロジェクトに天皇皇后両陛下がご下賜金を出されることを宮内庁が発表したのは、今月九日。
発表によれば、移民百周年にあたり、両陛下が「ブラジル日系社会のために何か具体的にできることはないか」と希望され、日伯両国の関係者が検討した結果、今回の寄付が決まった。
コロニアに対する皇室からのご下賜金は、一九三四年に日本病院(現サンタ・クルス病院)以来、七十四年ぶりと見られている。
史料館には現在九万点の移民資料があり、データベース化などの保存が急がれていた。
「天皇皇后両陛下の志に沿えるよう一生懸命がんばっていきます」と上原幸啓文協会長は、皇太子さまから受け取ったご下賜金を手に軽くうつむき、そう感謝の言葉を述べた。