ニッケイ新聞 2008年6月21日付け
あれから100年と3日。きよう21日―。アニャビ―で日本人移民がブラジルに渡ってからの百周年記念式典が開かれる。笠戸丸がサントスに入港した18日には、ブラジリアでル―ラ大統領が主催の式典があり、皇太子さまもご一緒に祝ってお言葉を述べられ、麻生太郎元外相を始め多くの国会議員や県知事も祝祭に出席するためブラジルに―▼日本では記念の硬貨が発行され、ブラジルは郵便切手と国を挙げてのお祝いは嬉しい。781人の移民たちも、まさかこれほど盛大な祝典になるとは思わなかったに違いない。海上自衛隊の練習艦隊3隻が18日にサントス入港という気配りには大いに感謝したい。国宝の太刀や陶磁器・小袖と振袖の着物など「江戸の工芸」と日本からの演劇と歌手の公演に観衆は沸き立った▼移民百周年の記念式と祭典は賑やかである。「海を渡って百周年」の群舞には1000人が舞い、日本からの「民謡使節団」も渋い喉を聞かせて呉れる。近頃は人気が高い和太鼓の響きは会場に谺し人々の心を打つ。勿論、皇太子さまもご臨席になり、1世移民や多くの3世・4世と「笠戸丸から100年」を衷心からお祝いする▼日本から駆けつけた2500名のブラジル大好き派も、移民たちと喜びを共にする。この式典と祭典は、泉下に旅立った移民らを偲びながらコロニアは21世紀をいかに生きるかを考える日にしたい。過ぎた過去に目を向けながら将来を語る。そんな夢の百周年祭になればいい。きょうは土曜日、1人でも多くの人々がアニャンビ―に押し寄せ両手を揚げての「万歳」と「ビ―バ」と叫びたい。 (遯)