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サンパウロ市長選=アウキミンPSDB公認候補へ=セーラ知事の采配=決選は生き残りを支援=サンパウロ市踏み台に大統領選へ

ニッケイ新聞 2008年6月24日付け

 サンパウロ市長公認候補を巡って六カ月も党内抗争を続けたPSDB(民主社会党)は二十二日、党大会でアウキミン前サンパウロ州知事を正式に公認した。二〇一〇年の大統領選に意欲を燃やすセーラサンパウロ州知事は、同党の市議らをカサビサンパウロ市長(DEM=民主党)の再選へ誘導していたが、白紙化したことで、今後の成り行きが注目される。
 アウキミン前知事は、党大会で過去最高の八九・九%の支持を得てPSDBから公認候補として認知された。セーラ知事が、同前知事のPSDB公認を支持すると表明したためとされる。
 セーラ知事に従ってカサビ候補支持へ回っていたPSDBの市議らは、同候補の当選後に要職が約束されていた。だが、白紙に戻された。
 しかし、アウキミンとカサビを一次選で戦わせ、生き残ったほうを両党が決選で支持すれば、大統領選でも両党は結束するとPSDB執行部は踏んだようだ。
 党大会前の党内では、市長選を大統領選の布石とする考え方が支配的であった。それには市長選でしこりをつくらず、大統領選で結束するというセーラ知事の戦略が評価されたらしい。
 ここには、微妙な駆け引きがある。アウキミン陣営は、カサビ支持へ回ったPSDB市議をサンパウロ州知事の私兵と白眼視した。それでカサビ支持のPSDB市議には、二つの責任が課された。
 一は、もしもアウキミンが一次選で落ちたなら、セーラに責任を負わせない。二は、アウキミンを怒らせて大統領選で仇を取らせない。アウキミンはネーヴェスへ走り、セーラをPSDB大統領候補から引きずり降ろしかねない。
 セーラ知事は、党大会へ二時間遅れてきた。色々考えたらしい。大統領選をモノにできれば、サンパウロ市は踏み台である。他党に取られても元栓を握れば、水攻めでも兵糧攻めでもできる。
 PSDBは二十五日、党創立二十周年を祝う。PSDBの経済政策は、公社の民営化と市場開放、レアル・プランによるインフレ抑制であった。PSDBが種をまき、現在の好況はその収穫だというのだ。
 しかし、これからはPSDBとPT(労働者党)の違いを鮮明にするという。PT政権に政府経費の垂れ流しをさせるなら、インフレは再来すると訴えるらしい。