ニッケイ新聞 2008年6月24日付け
ミナス・ジェライス州鉄鋼地帯に誕生した四角ミナスは、アジア諸国から雪崩のように注がれる資本投下で沸き立っている。その一つジェセアーバ市は住友ヴァルレ鋼管の進出で、地価や家賃が六倍も値上がりした。
近隣都市も同じ。今までは静かな寒村であったが、住民は毎晩大型トラックの轟音を聞かされている。不動産業者が次々に店を開き、周辺地域の土地買収に昼夜奔走している。
投資の筆頭は中国。鉄鉱石と鉄鋼の確保である。原油やガス、土建、自動車に続いて鉄鋼が、ブラジル発展の順序らしい。同地方をシリコン・バレーに倣ってステンレス・バレーと呼ぶ。
下請け企業が続々、進出し企業城下町を形成。住友ヴァルレは、住金の技術提供で継ぎ目のないシームレス・パイプを製造、米国や中東へ輸出する。工業団地が完成すると、百五十万人の労働者が就労するらしい。