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ブラジル管理職は太りすぎ=国内平均を上回る71%=職場で取り組む必要示唆

ニッケイ新聞 2008年6月27日付け

 二十六日付けエスタード紙が、管理職中、男性の七一%、女性も二六%が肥満か肥満傾向。また、男性の八三%、女性の三〇%にメタボリックシンドロームの危険性ありと報じた。
 この肥満七一%という数字は、同記事の一般的な肥満四三%や、二月十七日付けフォーリャ紙の国内平均で肥満は六三・一%という数字より高く、仕事柄、運動などの時間がとれない上、食事が不規則になりがちなことなどを反映している。
 ブラジルでは、肥満による保健経費の統計は出ていないが、米国では、肥満により保健経費は年間四五〇億ドル、企業が健康プランなどに払う経費の二七%に上る。また、肥満の人は成人病になり易いことから、ブラジル人口の二〇%にあたる高血圧症患者の血圧をコントロールできれば、昨年度の保健省経費七億レアル中、八億四百万レアルを節約できるという四月二十五日付けエスタード紙の数字は参考になるだろう。
 今回のエスタード紙の記事では、健康プランの経費削減と生産性低下を避けるため、年末のボーナス額の査定項目に、体重管理などを一〇%の比重で加えたところ、会社全体の健康状態改善という例も挙げられている。
 この企業では、医師や栄養士、精神科医などによる指導の他、家族や親戚も対象にした栄養指導なども行い、肥満者は五年間で六六%から五三%に減少したという。
 一度はボーナスゼロになりかけた同社管理職の一人は、一年間の食の改善と運動で、体重が一〇七キロから八四キロに。疲れにくくなった上、生産性も向上し、家族全体が、食の改善の恩恵にあずかっているという。
 また、二月七日フォーリャ紙に、同じ管理職でも、二〇~三〇歳では五九%が強いストレスを感じているが、三〇~四〇歳、五〇~六〇歳では四五%と三八%に減少しており、若い管理職ほどストレスを強く感じるとの記事。このうち、六〇%は定期的な運動が出来ず、三八%は仕事が上手くいかない、二〇%は家族との衝突やうつなどの精神的問題ありなど、その影響は大きい。
 二月十七日フォーリャ紙の、ブラジル人の食事は揚げ物などが多く、脂肪を減らす工夫や野菜・果物摂取が少ない、間食が多い、テレビを見ながら食事する、ファーストフードが好き、食べるのが早く、余り噛まない、などの指摘も、食の改善のための参考になりそうだ。

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