ニッケイ新聞 2008年6月27日付け
「日系ブラジル人として誇りをもって活躍していくことを誓います」――。皇太子さまのマリンガ市ご訪問を受け、日本公園内の記念モニュメントの除幕式を無事終えた二十二日夜の記念晩餐会、同市百周年委員会の安永修道実行委員長は、日伯両国の来賓を前にこう述べ、男泣きした。皇室をこよなく崇敬する「安永家」の一員らしい言動だった。
マリンガ市と姉妹都市提携を結ぶ兵庫県加古川市からの慶祝団一行はじめ、シルヴィオ・バーロス同市市長、島内憲駐ブラジル大使、オルランド・ペスッチ副州知事ら来賓を迎えた。会場となった文協(ACEMA・鈴木エドアルド会長)会館には、三百人以上が駆けつけた。
「移民百周年に居合わせた喜びを心から感じる。ブラジルの大地で幸せに暮らしていけることを先人に感謝したい」と安永実行委員長。そう日本語で力強く語ると、会場から割れんばかりの大きな拍手が送られた。
樽本庄一加古川市市長は「粘り強さと勤勉さをもとに、日系人はブラジル社会で確固たる評価を築き上げた」とあいさつ。加古川市から専門の庭師をマリンガ市に派遣するなどした日本公園建設プロジェクトにふれて、「この公園がマリンガの市民に末永く愛されながら利用されることを願いたい」と期待を込めた。
鈴木文協会長やオルランド副州知事のあいさつほか、島内大使は「皇太子殿下をマリンガ市にお迎えできる喜びを皆様と分かちあうことができました」と語った。
乾杯後、樽本加古川市長が、バーロス市長にデッサン画二枚をプレゼント、会場の注目を集めていた。