ホーム | 日系社会ニュース | C・ピニャール=大鳥居落成、披露=100周年記念=母県から今富知事代理ら慶祝団=州道補修も大きな喜び

C・ピニャール=大鳥居落成、披露=100周年記念=母県から今富知事代理ら慶祝団=州道補修も大きな喜び

ニッケイ新聞 2008年6月28日付け

 【サンミゲル・アルカンジョ】日本移民百周年を記念して当郡コロニア・ピニャール移住地の入口に大鳥居が完成し、二十二日落成式が行われた。当地は福井村とも呼ばれ、福井県とは毎年研修生の受け入れを相互に行っており、農業関係だけではなく、日本語学校やシルバーバレーなど教育・文化面での交流も盛んに行われている。
 この日、福井県から今富廣子県知事代理をはじめ二十二人の慶祝使節団が祝いに訪れた。また、ブラジル側からもアントニオ・セルソ当市市長やマリア・ルシア氏サンパウロ州知事代理、隣のピラール・ド・スール市からも市長や文協会長らが招かれ、多くの地元関係者が参加した。
 午前十一時から儀式。高さ九メートル、幅十メートルもある大鳥居のテープカットが行なわれた。続いて大鳥居真後ろに建立された記念碑の除幕、『聖地ピニャール 日本心ブラジルに拓く』と日伯両語で刻まれた文字が披露された。
 この大鳥居と記念碑の建立には東京在住の天野鉄人氏が協力しており、移民百周年を機にコ・ピニャール移住地に新たなシンボルが完成した。
 また、その他にも百周年記念行事の一環として、サンパウロ州道路局が行っていた州道から移住地へと続く全長六千三百メートルの道路の補修工事が完工し、地元住民を喜ばせた。
 その後、会館で祝賀会が行われた。徳久俊行コ・ピニャール文協副会長の挨拶の後、開拓先亡者への黙祷、そして来賓の紹介が行われた。
 西川修治文協会長が挨拶、「日本移民百周年を記念して、大鳥居を建てることができ、また州政府より道路改修工事を行って頂き、関係機関に感謝する。現在、農業を取り巻く環境は厳しいが、農業で頑張っている人達は移住地の希望の星であり、この地を農業のモデル地区とすべく頑張ってほしい」と述べた。
 続いて来賓挨拶。今富知事代理は西川一誠知事のメッセージを読み上げ「気候、風土、文化、言語の違いと闘い、克服した移住者の努力に深い感銘を受けています」と敬意を表した。
 石川与三吉県議会議長は「一九六二年三家族から始まったこの移住地の人々の闘い、努力を福井県民に伝えるのは責務だ」と述べ、昨年八月に県日伯友好協会会長に就任した前田康博氏は「昨日サンパウロの記念式典を見て涙が出るほど感激した。これからも日伯の交流が深まるよう私も頑張らなければいけない」と決意を語った。
 その後も、一九八三年の初来伯以来今回が九回目の当地訪問となった山本達雄県農協五連会長代理が、会長に代わりメッセージを読み上げるなど来賓挨拶が続いた。
 慶祝使節団の各機関から西川修治文協会長に記念品が贈られ、乾杯。食事後には、地元日本語学校の生徒による太鼓の発表が行われた。
 前日サンパウロで行われた百周年記念式典の千人太鼓に参加した生徒も多数いた。力強い太鼓の音や元気な子供達の声が響き渡り、祝賀会出席者から大きな拍手がおこった。使節団員は最後に記念植樹をおこなった。