第二石油ショックの到来=米議会、高騰に待った=もう一つの元凶ファンド=世界はブラジルに穂を垂れる
ニッケイ新聞 2008年7月1日付け
ブラジルが大油田開発に国運を賭けようとした矢先の二十八日、米議会が原油投機を抑制する動きを見せたと三十日付けエスタード紙が報じた。その一案は、リバーマン上議(民主党)の原油投機目的の投資ファンド設置や年金ファンドやヘッジ・ファンドの同目的投資の禁止案だ。
最近の原油高騰はインフレ率を差し引いても、一九七九年の石油ショックに匹敵する第二石油ショックといえそうだ。これは中国やインドの需要だけでなく、ファンドという元凶がいると米議会は結論に達した。
産油国の予想とは裏腹に、北半球の需要増で、原油価格は八月に百七十ドルに達する見込みという。一九七〇年代の価格へ戻る見込みは当分ないらしい。バイオ燃料による代替も進んでいるが、原油高騰は止まらない。
金属コモディティの高騰は、農産物の比ではない。ニッケルは二〇〇七年上半期、五四八%の値上がり。亜鉛は二四七%増。非鉄金属は二五一%増。錫が一六二%増。鉄鉱石が一九五%増。
値上がりを見込んで中国や日本の製鉄業が、大量買い付け契約を結んでいる。これらの現象は、明らかに世界が第二石油ショックの真っ只中にある証拠だ。第一ショックとの相違は、想像もつかない規模の違いだ。
デウフィン・ネット元財務相は、ヘッジや年金ファンドなどが先物市場で莫大な買い物をして、相場を吊り上げていると指摘した。この動きが、ドル安と政策金利の引き下げを招いたという。
原油価格はこれまで需要増で値上がりしたが、これからはさらに、投機が値上がり圧力を増す。原油高騰は、肥料高騰や運送費高騰につながり、食糧の高騰から産業全部門のコスト高となる。
コモディティ高騰が、インフレ圧力となっている。天井知らずの原油高騰を避けるため、次期米大統領が、需要抑制か減速経済容認か、どんな政策を採るか世界の注目を集めている。
ブラジルは、中央銀行が次回通貨委員会で基本金利を〇・七五%引き上げ、経済成長にブレーキをかけるらしい。果たしてブラジルは、追い風を受けてどのようなエネルギー政策を採るのか。