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日・ポ語対照=『ブラジル国歌独習書』完成=渡邉智子さんの労作

ニッケイ新聞 2008年7月1日付け

 渡邉智子さん(サンパウロ在住)の労作、日・ポ語対照『ブラジル国歌独習書』(Estudo do Hino Nacional Rrasileiro em Japones e portugues)が、百周年の「移民の日」を前に完成した。
 同書の序に、渡邉さんがブラジル国歌に出会ったときのことが日ポ両語で記述されている。「五十歳まで国歌は『君が代』だけ、日本で歌ってきた者にとって、息子の卒業式で歌わされたブラジル国歌は、実に衝撃的だった。(中略)その雄弁なこと、輝かしい独立の歴史と、大きな国土、自然に加えて、光り輝く南十字星、国民的詩人の詩の引用(中略)、その時は意味がわからないまでも、美しい旋律に魅せられ、このような国歌が歌えたら!、と心に思った」。
 その後、ポ語学校で歌唱を練習するようになり、「もっとはっきりした日本語で理解したい」と日本語訳を試み出した。試行錯誤を経、多くの人たちの助言を得て、〃歌えるように〃翻訳、歌唱指導者の太鼓判をもらった。さらに「国歌を外国の言語に翻訳したり、歌う」ということの法律的な問題なども当局や専門家に相談してクリア、出版に漕ぎつけた。
 渡邉さんの、日ポ語対照独習書出版の根本的な意図は、すばらしいブラジル国歌を「歌うために」「意味を味わうために」である。このことは、本の表紙に明示されている。内容は国歌楽譜、研究、歌詞と日本語訳、詩の背景、ポ語歌詞解説、変遷。
(発行=渡邉智子、サンパウロ日系ルーテル教会内、電話11・5571・6014、校正=島袋レーダ&パウラ、監修=三浦マリエ&レニール、表紙絵=マルコス・ガルチ、装丁印刷=グラフィカ・パウロス)