ニッケイ新聞 2008年7月1日付け
百周年公園が、モジ・ダス・クルーゼス市に誕生――。約一年間かけて建設が進められてきた「百周年公園」(Parque Centenario)の開所式が、六月二十八日午前十時から同公園で行われた。同公園は日本移民をテーマにした市民の憩の場をめざし、笠戸丸のモニュメント、鳥居、盆踊り会場など盛りだくさんの施設が設置されている。安部順二モジ市長は、開所式のあいさつで「昼夜を問わず働いてくれた関係者の皆さんに深く感謝の念を表したい」と述べ、目頭を押さえ、感激の涙を流した。
開所式冒頭、来賓一同で入り口に張られたテープをカット。その後、関係者は歩いて日本の四十七都道府県とブラジルの二十六州一連邦区の旗が掲げられた「旗のパンテオン」に足を運んだ。各地の出身者がそれぞれの場所に行き、日伯両国歌が流れる中、一斉に旗を掲揚した。
安部市長は、移民百周年の年に市長であることを喜び、公園内に設置された施設についての説明を行った。「日伯融合を表す公園を建設し、未来永劫残っていくようなものを作りたかった。我々の求めたものが完成した」と喜びを表した。また、「この公園の完成に向けて、昼夜を問わず働いてくれた多くの人たちに感謝の意を表する」と述べ、その場で涙を流した。
その他、丸橋次郎首席領事、マルコ・ベルタイオリ州議、ルイス・カルロス・ゴンディン・テイシェイラ州議、モジ市議会のジョゼ・アントニオ・クコ・ペレイラ議長、ブラジル日本移民百周年協力協会の長尾オズワルド会長、モジ文化体育協会の中山喜代治会長たちもあいさつを行った。
続いて、様々なイベントを行うことのできる「盆踊りサンバ会場」、モジ市と姉妹都市の岐阜県関市、富山県富山市の両市からの贈呈品などを展示した「姉妹都市記念館」の開所式を行い、展示を興味深く見学していた。
その後、一同は池の中にある鳥居と対岸に設置された笠戸丸のモニュメントを見ながら、朱色の浮き橋を渡り、入植当時などの貴重な写真が展示されている「笠戸丸のモニュメント」、昔の生活を垣間見ることができる「移民広場」などの開所式を行った。この他、日本庭園内にある池に、鯉を放した。
宮城県の旗を掲揚した芳賀七郎さん(75、宮城)は、老移民に対する配慮に感謝を述べ、「これだけのことを移民のためにやってくれて嬉しかった。掲揚している時は感激した」と嬉しそうに話した。