ニッケイ新聞 2008年7月1日付け
最近は食料品の値上げが続く。インフレ傾向も強まり、あの魔の4000%を思い起こし寒々とした気分になる。朝のコ―ヒ―には欠かせないパンは、世界的な小麦高騰の影響とかで天井知らずのアップだし、野菜や馬鈴薯も日の出の勢いで攻めまくる。あのセスタ・バジコも凄い▼この1年間にレシーフェとナタ―ルでは40%超も高くなり、最高値のポ・アルグレでは240レアル近い。これは食べ物であり日々に必要なので政府は野放しにもできないだろうに―。コメも凄まじい。インドとベトナムの生産大国が今年に入ってから輸出を停止したのが契機となって消費国のフィリピンが悲鳴を上げているのはご存知の通りである▼東洋街の店先に並ぶコメは最高で2倍もの売値であるからびっくり仰天する。いや、豆腐もだし東洋市の今川焼きやどら焼きもどんどん値上げ。まあ―あれは小麦粉を使うから値段が少し高くなっても致し方ないのだろうが、餡を造る小豆の国債相場も高値かな?と首を傾げる▼あっ―東麒麟もちょっぴりながら値が張るようになって何となく酔いが速くなったような気もする。それにしても、「アタマ麒麟」も実に旨くなり美酒に化けた。ウルグアイのコメ?で醸造する技術的な進歩が著しい。少し高めだけれども吟醸酒は、日本の安物には負けない味と香りを誇る。これもまたコメを醸すのだから少しばかりの騰貴は止むを得まい▼と、企業と小売り屋に同情ばかりもしてはいられない。今年のインフレは6%超になるという予測がもっぱらだし、世の値上げム―ドと経済悪化はやっぱり怖く恐ろしい。(遯)