ニッケイ新聞 2008年7月4日付け
七月を迎え、ひとまず百周年の大山を越えた。記者も一息ついているところだ。
皇太子さまフィーバーでかすんでしまったが、六月には二十一県から慶祝団が来伯。名前が呼ばれなかったのは残念だが、十一県知事がサンパウロの式典に出席した。
母県との繋がりを肝要とする県人会としては嬉しい限りだろうが、地元報道によると、福岡や鳥取など各県で出張費に関する非難が噴出しているようだ。
「観光では」「費用が高すぎる」に加え、「何の意義があるのか」「県民のために使うべき」という批判に淋しさを覚えた。と同時に、移民や日系社会に対する理解への厚い壁を感じた。
しかし、かつて多くの県民を送り出した行政側も説得力のある報告を怠っているのでは。今回の訪問を過去と将来を考え直す好機にはできなかったか。(剛)