ニッケイ新聞 2008年7月5日付け
電話会社Telefonicaの設備が二日午後十時故障、サンパウロ州四百七都市の行政機能が五〇%停止したことで、国家通信監督庁(Anatel)が三日、原因と損害情況究明を命じたと四日付けエスタード紙が報じた。インターネット接続不可のために治安局や交通局などの行政機関は殆ど機能不全に陥った。
原因不明の電話データ送信網のトラブルにより、サンパウロ州内自治体の行政機関や大手企業、銀行、プロバイダーの通信が殆ど停止した。
電話会社Telefonicaは、インターネット・スピーディのサービスで二百二十万の顧客を持つ。一ポイントに四顧客が接続すると八百万の顧客が、被害を受けたことになる。
今回の混乱はサービス関係のみであったが、プロバイダーに接続する一般市民には、機能不全による精神的ショックが大きかった。三日午後八時半には八〇%が、四日には全面的に復旧した。
Anatelは、僅かな不注意が行政機能の停止と市民活動に混乱を招くとし、今後の対策を検討中だ。市民擁護団体(Idec)は、通信機能の故障で惹起される混乱と損害に対しては、電話会社が賠償する法律を定めるべきだと訴えた。
電話局の民営化に際して、機能不全による損害と混乱に対して、電話会社は三百十九万レアルの罰金を払うとの条項が定められている。行政機関は、罰金だけでなく、民営化企業の営業許可取り消しなどの罰則も設けるよう要求した。
連絡網の途絶で深刻な事態を招くのは、警察などの治安機関といえそうだ。事件届(BO)を手書きで作成する有様だ。身分証明(RG)や運転免許証(CNH)の発行にも、支障を来たした。
電話会社は、常勤の技術者百人と外部の専門家四百人で原因究明に尽力している。トラブルの可能性として、バックボーン機能の一部パーツ不具合、またはハッカー、プログラム・ミス、負荷過重と見ている。
バックボーンから行政機関や大手企業、プロバイダーなどのインターネット・シグナルに連結している。インターネット本体はバックボーンの複合体で、世界各国へもつながっている。