ニッケイ新聞 2008年7月8日付け
農地改革省は六日、外国人の農地購入が毎日十二平方キロメートル、イビラプエーラ公園七・五個分の割合で進行と発表したことを七日付けフォーリャ紙が報じた。同省農地登録課(SNCR)のデータから判明したもので、外国人買占めによる農地の租界化が顕著であることを示している。
外国人投資家が過去六カ月間、一千五百二十三の物件二千二百六十九平方キロメートルを購入し土地転がしも行った。農地の売買には、大豆景気やエタノール補助金などが拍車を掛けている。
さらに、農地登録では分からないブラジル人名義の外国資本や外資のブラジル人ラランジャ(名義賃貸)企業もある。外国人の農地購入は、政府の農地改革面積を遥かに上回っている。
ルーラ大統領とカッセル農地改革相が過去六カ月、農地を接収し署名した面積が一千七百六十平方キロ。同時期に外国人が、二千二百六十九平方キロを購入した。二二%の相違だ。MST(農地占拠運動)のメンバーは、ブラジルが植民地になると訴えた。
現行法では、国内居住の外国人や国内で営業許可を持つ外資系企業の土地購入は、一切の制限がない。外国人の農地購入が最も多いのは、マット・グロッソ州で八千七十四平方キロ。続いてMSやSP、BA、MGなどの諸州である。
地域では中央西部が最も多く、続いて南西部、北東部、南部の順。北部は逆に減っている。外国人の目的は、サトウキビ栽培である。小作人を入れてサトウキビを栽培させる計画である。
これら農地購入に奔走する外国人は、アグリビジネス・ファンドから派遣されたビジネス・マンである。特に二・三カ月前から激増している。出身はスペインやポルトガル、オーストラリア、米国、亜国など。
これら外国人の農地購入者は、おびただしい数の農場を見せるよう催促し、ブラジルの周旋人は自分の経費負担で案内する。殆どは成約に至らず、ガソリンや食事を払わないので評判が悪い。