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三味線奏者、ボサ・ノヴァに関心=老ク連を盛り上げ=施設まわり慰問も=恩田さん、出囃子で活躍

ニッケイ新聞 2008年7月8日付け

 東京を中心に出囃子(でばやし)の三味線奏者として活躍する恩田えりさん(37、東京)が二日、老人クラブ連合会本部センターで三味線の演奏会を開いた。連合会会員ら約三十人が駆けつけ、着物姿で登場した恩田さんの演奏を手拍子を打って鑑賞した。恩田さんはボサ・ノヴァに関心を持ち、またポ語習得のため学校にも通うという熱心さだ。
 ブラジル滞在中の恩田さんをコーディネートする杉本俊和長崎県人会理事が、恩田さんの経歴などを紹介。恩田さんは演奏の合間に、出囃子に関するクイズなどを出して会場を盛り上げた。
 寄席には、端唄、小唄、長唄、俗曲、義太夫などがある。約三十分間の公演で、恩田さんは長唄の「元禄花見踊り」、端唄の「奴さん」、その他にぎっちょんちょん、序の舞、長崎ぶらぶら節などを演奏した。
 恩田さんは、日本大学法学部卒業で、国立劇場伝統芸能伝承者養成機関(寄席囃子コース)の第十一期卒業生。現在、落語協会に所属。プロとしてのキャリアは今年で五年。東京都内の五カ所、浅草、上野、半蔵門、新宿、池袋の劇場をまわり、落語家を裏方で支える存在として、年中休む間もなく活動しているという。
 九日まで滞在。八日に援協経営の日系高齢者施設、スザノ市のイペランジアホーム、九日にサントス厚生ホームを訪れ、両日午後二時から、三味線の演奏会を開く。
 恩田さんは、今回かねてから興味があったボサ・ノヴァに触れるために来伯。滞在中「日系社会の方々に喜んでもらいたい」との思いから演奏会の開催を決めた。現在、サンパウロ市内のブラジル人家庭でホームステイして、ポルトガル語学校に通っている。