ニッケイ新聞 2008年7月9日付け
ロボン動鉱相は七日、原子力発電所アングラ3の建設を九月一日開始と発表したことを八日付けエスタード紙が報じた。これまで長い間、棚にさらされた原発建設が、ようやく始動する。建設への最後の段階として、環境局(Ibama)の許可待ちとなった。
アングラ3は、七十三億レアルを投じ二〇一四年の完成予定。政府は、さらに四カ所の原発建設を計画中で、二〇五〇年には原発発電の全面依存を計画している。
原発は、クリーン・エネルギーとして世界の注目である。ブラジルは、アングラ1と2が稼動中で二千MWを発電している。アングラ3が完成すると、さらに一千三百五十MWが加わる。
アングラ3の始動で、ブラジルの核開発計画も便乗する。ブラジルは、世界で六番目のウラン埋蔵国。核燃市場は、年商二百億ドルの有望産業だ。原発用ウランの価格は、一キロが百ドル。ブラジルが核燃生産を始めると、世界で二番目の規模の供給国になる。
ブラジルではこれまで、核開発は公団の下請けであることが求められ、独占化していた。現在はそれが解放され、民間企業の参加が自由になったというものの、公団の独占は完全に廃止されたわけではない。
ウランを採掘しているのはセアラー州のサンタキテーリア鉱山、核公団INBが固有資産のように管理している。INBは、ウラン試掘権を入札するらしい。政府は、降雨に支配されない原発に期待している。