県連裁判問題で一審判決＝証拠不十分で県連が勝訴＝エ・スター社の訴え退け

ニッケイ新聞　２００８年７月９日付け

　二〇〇五年七月にブラジル日本都道府県人会連合会が開催した第八回フェスティバル・ド・ジャポン（日本祭）で会場設備などを担当したＥＸＰＯＳＴＡＲ社が県連に対して起していた追加請求訴訟で、先月、サンパウロ中央裁判所民事裁判第三法廷が同社の証拠不十分により要求を退け、県連が第一審で勝訴したことが分かった。
　同裁判問題は、第八回日本祭で、会場設備を担当していた同社に対して県連が三十四万レアルを支払った後、二十一万レアル追加請求されていたもの。合計五十五万レアルは第八回日本祭の予算の約半分にあたるため、不当な金額だとして、県連は支払いを拒否していた。
　同社が訴えを起したのは、〇六年五月。その後〇七年六月二十八日に、同裁判所で原告側と被告側の初顔合わせが行われ、松尾治会長（当時）と林弁護士が出席している。
　サンパウロ中央裁判所民事裁判第三法廷は、六月十七日に、同社の要求に対して「実際に日本祭が行なわれた日付と、同社が工事を行なった日付が合わない」との理由から、証拠不十分として同社の請求を退けた。三日に、官報で公示された。
　判決ではまた、同社に対して裁判費用として、千五百レアルを県連に支払うように命じている。
　公示された後、約十五日以内に控訴しない場合は、県連の勝利が確定する。
　県連の弁護を担当する林アンドレ弁護士は「今回の裁判は、相手側に取り立てる権利があるとは思わなかった。今回の結果は我々の言い分が通ったものだ」と落ち着いた様子で話した。
　県連の山田康夫副会長は、今回の判決に関して「まだ、判決文を見たわけではないので、なんとも言えない。今後のことは、これから検討して対応していく」と述べるに留まった。