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ルーラ第二期の明暗=財政内容は確実に悪化

ニッケイ新聞 2008年7月11日付け

 ミング経済研究所が六日、発足して六カ月になるルーラ第二次政権を、見かけはよいが、経済は確実に悪化したと評価、発表したことを七日付けエスタード紙が報じた。
 米国のサブプライムを震源とする混乱は、まだ続く。ローンで購入した不動産の返却は益々増え、銀行は債務不履行と戦っているが、パニックではないようだ。
 原油高騰を原因とするインフレは、重い荷を背負って長い坂道を登るようなもの。昨年末から現在まで、原油は五一%高騰。食品は二九%、金属コモディティは一八%も高騰している。
 途上国を除いたら、国際経済は殆ど停止状態。米当局者の努力に関わらず、ドルは下がる一方。ブラジル経済は、見かけだけ。経済成長率は五%の横ばい、希望が持てるのはさきのこと。
 そこへ夢の油田発見。世界的な食糧危機が危惧される中、ブラジルは食糧を持っていること、世界最高水準の農業技術を有するのが強い。
 ルーラ第二次政権に入って悪化したのは、インフレを上方修正したこと。それでインデキサソン(スライド方式)が、また噂に上がった。ブラジルのインフレは、コモディティの高騰が原因ではなく、政府の垂れ流し経費が原因である。
 政府経費は、年々一二%で増えても改善の様子はない。それでも消費の過熱を煽っている。基本金利は世界の最高クラスだが、投資信託は軒並みマイナス配当。
 為替は一ドルを一・六レアルで過当評価され、産業は疲れ気味である。経常収支の赤字は、ブラジル経済の横腹に腫瘍ができたのだ。国内市場の過熱が、輸入を四四%増やしたのもよくない。