ニッケイ新聞 2008年7月11日付け
先月二十八日から来伯し、パラナ州を中心に公演会を行っていた、国境なき芸能団。最終公演が七日に老ク連で行われ、会場は、立見客も出て人で埋め尽くされた。
落語を中心に、約二時間たっぷりと公演が行われ、来場者は始めから終りまで笑いが絶えることがなかった。
日本から訪れた芸能団は「移民で苦労した人たちにみてもらいたい」と口癖のように希望を述べる。実際に、老移民たちは、日本の芸能で郷愁に浸り、感動し、目を真っ赤にして泣く姿が、いつも目につくが、今回はいつもと違った。
日本移民は苦労の連続だった、と代名詞のように語られてきた。筆舌に尽しがたい苦労の連続だっただろうが、その中で娯楽を求め、楽しみや笑いを見出してきた。そんな人たちに、郷愁の涙ではなく、今回のような笑いを届けてもらいたいと感じた。(貴)