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地裁、最高裁に挑戦=頭取は弄ばれた政商か
ニッケイ新聞 2008年7月12日付け
最高裁のメンデス長官は十日、国家法務審議会(CNJ)と連邦法務委員会(CJF)に対しサンパウロ州連邦地裁第六刑事法廷のサンクチス判事の素行を監視するよう要請した。
同判事は、オポチュニティ銀行のダンタス頭取と投機家ナハス氏、ピッタ元サンパウロ市長の拘束令状を発行した責任者である。頭取は最高裁によって釈放され十時間後、贈賄罪で再拘束された。
一方、サンクチス判事は連邦警察によってメンデス長官の執務室に監視カメラを設置させた。同長官は、サンパウロ州地裁から長官の周囲に手が回ったことで通告を受けた。その時は、既に頭取の弁護士と長官の会合現場を撮影された後であった。
最高裁の職員は、手続きで出入りする弁護士より、はるかに多くのネズミが所内を走り回って姑息に振舞っているという。長官は、基本的人権が連警の越権行為によってじゅうりんされていることを訴えた。
地裁判事が最高裁長官に楯突いたことで連警の総元締めであるジェンロ法相は「法令の許す範囲であれば、共和政治のよき番人であり誇りだ。ブラジルの不罰特権が終焉しつつある」と述べた。
下級判事が最高裁を相手に構えた背後には、強いバックがあると思われる。焦点のダンタス氏は二〇〇二年、ルーラ政権の誕生を支援し、ジルセウ前官房長官の後ろ盾で通信業界の帝王となった人物である。
今回の連警作戦は前官房長官の失脚で後ろ盾を失った同頭取への反撃といえそうだ。前官房長官は大統領と法相に、連警が政治警察化していると抗議した。現政権執行部が、連警を使って前官房長官の資金源を封じているらしい。