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宮沢和史氏=音楽で日伯つなぎたい=新曲『足跡のない道』各地で=こどものその、日本祭でも

ニッケイ新聞 2008年7月12日付け

 「この曲を通して、移民100周年を日本で伝えてゆきたい」―。コロニアでも愛唱されている『島唄』の宮沢和史氏が十一日に来伯、国際交流基金サンパウロ日本文化センターで記者会見を行った。淡々とした口調ながらも、移民、そして日伯友好への熱い思いを語った。
 九四年から二十回以上来伯、公演活動も行なっている。今回は移民百周年を記念し作曲、六月十八日に日本で発売された楽曲『足跡のない道』を各地で披露する。
 ブラジル音楽に魅了され、何度も足を運ぶうち日本人移民の歴史に触れた。「移民百周年に自分も何かできないか」という思いはミュージシャンとして「歌を作る」という当然の帰結へ。
 しかし、「百年という長い歴史をどう描けばいいのか」と葛藤する日々が続いたという。
 〇五年にロンドリーナで会った第一回笠戸丸移民最後の生存者、中川トミさんとの出会い、そしてその訃報に接したことから全てが動き出した。
 「彼女の人生そのものが移民の歴史、と考えたら鳥肌が立った。トミさんの人生を想像してみたら、ある男女(開拓移民の夫婦)が初めての道(ブラジル)を歩くという歌詞が浮かんだ」。
 百年前の一歩があるから今がある――。そう過去を伝えながらも、これからの百年への思いも歌に込めたという。
 八月には東京と大阪で凱旋ライブ、九月にはMPB歌手、ジルベルト・ジル氏(文化大臣)を招待し、愛知県名古屋市でフリーコンサートを企画する。音楽を通した日伯友好の旗振り役も自任する。
 「一番遠いが一番近い、日本とブラジルの絆は、ますます深まってゆくと思う。僕の活動がそのきっかけになれば嬉しい」
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 十三日は、「こどものその」(午後二時半)、県連主催の『日本祭り』(時間未定)で弾き語りライブを行なう。
 二十二日、クリチーバ(グアイーラ劇場)、二十四日、サントス(SESC)、二十六、二十七日、サンパウロ(SESCポンペイア)、二十八日、リオ(カネコン)での公演では、ブラジルを代表するパンデイロ奏者マルコス・スザーノやキーボード奏者フェルナンド・モウラもメンバーとなっている「GANGA ZUMBA」を率いたライブとなる。