ニッケイ新聞 2008年7月15日付け
サンベルナルド・ド・カンポ市百周年事業の目玉行事の一つ、「日伯文化融合祭典の夕べ~Noite de Gala Integracao Cultural Brasil-Japao」が六月十三日夜、同市の教育職業センター(Cenforpe)で開催された。
記念モニュメントの建設や、日系人の名のついた市内広場の整備、植樹など、一市としての枠を越えた多彩な記念事業を実施している同市。
五月末には市内ベラ・クルス展示場で記念式典と、それに続く文化イベント「サンベルナルドの日本」を開催。今回の「日伯文化融合祭典」も目玉の文化イベントの一つだ。
日本とブラジルの文化・芸能を一つの会場で披露するこの催し。同市百周年委員会の南洋行委員長が司会をつとめ、一つ一つの演目・出演者が日伯両語で紹介された。
「日本」の側からは、地元文協による太鼓、コーラスや「海を渡って百周年踊り」に加え、花柳流金龍会の踊りや宮城会の邦楽演奏、鳥取傘踊りなどが出演。「ブラジル」側では地元サンバチームやフォホーのグループなどが出演。全部で二十五の演目が披露され、会場を盛上げた。
日本から来伯中の岩手県民謡協会の皆さんも出演して、本場の歌と演奏を披露。フィナーレでは来場者が総立ちで拍手を贈った。千七百人収容の会場は、平均一千人近い人たちが訪れる賑わいを見せた。
同市在住のシジネイアさんは、「初めて三味線の演奏を聞いたけど、とても穏やかな気持ちになった」と笑顔。
サントアンドレから訪れた奥原章多さん、澄枝さん夫妻は「こんな盛大なイベントができるのはサンベルナルドだけでしょうね」と満喫した表情で話した。
今年二月の開幕セレモニーから始まった、サンベルナルドの百周年。今回の祭典で一つのハイライトを迎えた。「日系でない人も大勢来てくれ、熱心に見てくれた。ありがたいことです」と話す同委員会コーディネイターの中原アルツールさんは、「今までは息をつく暇もなかったけど、ようやくちょっと一息ですね」と盛況を喜んでいた。